ギター紹介 〜スティーヴィーレイヴォーン ナンバーワン〜
ギター紹介
こんにちは!
東京、池袋を中心に、新宿や秋葉原など都内近郊にある完全個人レッスンのギター教室、エルギタースクールのブログです。
本日はものすごく久しぶり、「ギター紹介」のコーナー!
「スティーヴィー・レイ・ヴォーン」の愛機、「ナンバーワン」をご紹介しようと思います!
こちらです!
すんごい見た目ですね。
レイヴォーンが生涯メインギターとして使用したギターで、多くの改造が施されていますが、元は「フェンダーのストラトキャスター」です。
1970年代初期にレイヴォーンが当時使用していた63年製の黒のストラトキャスターを修理しようとオースティンにあった楽器屋さんに持ち込んだところ、店に飾ってあったこのギターに一目惚れし、そのギターと交換で手に入れたというものです。
自分のギターと交換でなんて、よっぽど気に入ったんでしょうね。
レイヴォーンは他にも自分のギターに「ナンバーツー」、「レニー」、「チャーリー」といった愛称をつけていますが、メインギターの座を明け渡すことは生涯ありませんでした。
ボロボロに剥げたボディフィニッシュも特徴的ですが、「SRV」という一際目を惹くステッカーも時代とともに削れて(消えて)は張り直されているので、年代によって形や位置が変わっています。
レイヴォーンがナンバーワンに行った改造は、もともと白だったピックガードを黒に変更し、フレットはジムダンロップ♯6100(通常はベースなどに使われる超ジャンボフレット)を使用、トレモロアームユニットも左利き用に変更し、金属パーツもゴールドに、というものでした。
偉大なアーティストが生み出す「音」というものは、多くの人に研究されたり、調べられたり、憶測が憶測を呼ぶものです。
当時レイヴォーンの演奏があまりにもパワフルだったことから、フェンダーの純正のピックアップから出ている音ではない、ピックアップも変更されているに違いないという説が有力だったそうです。
エレキギターの心臓部とも言えるピックアップを、より出力の高いものに変更している説、コイルの巻き数を増やして出力を高くしている説などがありました。
(この辺りの用語がよく分からないという方はこのブログの「ギター雑学」コーナーを見てみてくださいね)
〜ナンバーワンの復刻〜
2007年にフェンダーから、ナンバーワンを精密に再現した復刻モデルが限定発売されることになりました。
レイヴォーンの死後、このギター「ナンバーワン」は兄である「ジミー・ヴォーン」によって大切に保管されてきましたが、そのプロジェクトのために、なんとジミー協力の元、本物のナンバーワンを解剖し研究されるということになったのです。
その結果判明した事実は「ナンバーワンのピックアップは一つも交換されていないし、コイルの巻き直しや巻き足しが行われた形跡もない」というものでした。
誰もが憧れたレイヴォーンのあのパワフルなサウンドは機材によるものではなく、レイヴォーン自身から生み出されるものだったのです。
これには世界中のファンが度肝を抜かれました。
それと同時にスティーヴィー・レイ・ヴォーンというギタリストが本当に偉大だったということを思い知らされ、再認識させられたのです。
機材はもちろん重要ですが、「一番大事なものはギタリスト自身である」という根本が証明されることとなりました。
〜生涯を共に〜
レイヴォーンの大きな特徴といえばギターの弦のゲージ(太さ)も一つです。
ほとんどの曲は半音下げチューニングで演奏されていましたが、通常ではありえない太さの13〜が張られていたようです。(通常は10〜や09〜、チューニングを下げると弦の張力が下がる、弦を太くすると弦の張力が上がる)
そのためかネックも耐え切れず大きく反り弦高も高く、レイヴォーンのギターを手にした者は一様に「弾けたものじゃない」、「並みの握力では弦を押さえる事も出来ない」と漏らしていたほど、セッティングが極端でした。
確かにギターにとってはあまり勧められないセッティングですが、頻繁に修理やメンテナンスを行い非常に大切にしていたようです。
ナンバーワンのネックは2度交換されているのですが(1度目は修理できる限界に達したため)、2度目は1990年にコンサート会場で機材が落下する事故が発生し、ネックが欠損したためです。
その際レイヴォーンは相棒であるナンバーワンを見て涙したと言われています。
ミュージシャンにとって楽器はまさに自分の分身、自分を表現してくれるものです。
レイヴォーンが生涯メインギターとしてその座を譲ることのなかった「ナンバーワン」。
レイヴォーンとナンバーワンの絆を思いつつ、演奏を聴いたり映像を見たりするのも良いのではないでしょうか。
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